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木霊 - 北杜夫(1975)

幽霊の続編で前作の孤独な状況から一変、倫子というあからさまな萌えキャラが登場して驚いた。ただ彼女も回想に登場するだけで主人公の前に直接現れることはなかったので彼の孤独という体裁もギリギリ守られたと言える。本編でこれだけトーマス・マンを推されたら読まなければならないのかなと思う。北杜夫はまるで今見てるかの様に風景を描写するので僕はどうにかそれをイメージしようと頑張ったが、全く見たことない物はイメージできないと悟り、すごく今更だが流し読みという術を身につけた。これでいいと思う。またいつか読み返した時に理解できればという楽しみが増えるし、無理に調べたり画像検索している内に失われていく文章のリズムみたいなのがあるんじゃないかと。全四部構成になると述べられるこのシリーズは残念ながらここで途切れているが、幽霊から随分時間を置いた上にさびしい王様シリーズ他、を間に挟みながら進められた訳だが、どこかで北杜夫氏は死ぬ前に書いておきたい物が幾つかあると語っていたがそういう明確な意志による所産であることは明らかで、その創作意欲に非生産的な日々を送る僕は羨望の内に打ちのめされた。

L'Arc~en~Ciel - Real(2000)

ラルクには凡そ生活感のある歌がない。時給800円だとかコンビニだとか屁が臭いとかそんな言葉は絶対に歌詞には出ないし、歯が痛いだの腰が痛いだのバイトサボりたいだのというような泥臭い生活者の苦悩を歌った曲は一層ありえない。その爽やかさがポピュラリティを得たりカラオケで歌いやすい空気がある一因であったりするんだろうが、そんなラルクの中で異色とも言うべき最も人間臭いアルバムがこのRealである。取り上げるべきはファンに対する不満を歌った「bravery」と、昔の友達に久しぶりにあった時の感想を歌ったという「TIME SLIP」だろう。braveryはtetsu作詞作曲によるラルク史上最大の汚点とも言うべき曲で(笑)、糞みたいな曲に糞みたいな歌詞がのる糞曲で、過去に拘るファンを蔑視する一方、自ら過去を保護し賛美する歌詞には薄ら寒い思いがさせられるが非常に人間臭いと言える。TIME SLIPは作詞がhydeで作曲がkenで全くラルクらしくない締りのない平坦な曲にのる同窓会で随分うらぶれた友人を見てしまった時のような歌詞は、切ないというよりも砂を噛むような悲痛さがある。この曲がもし昆虫キッズの曲だったら名曲だと思っただろう。ark.ray大ヒットの後の停滞感が漂うがスルメ盤と言ってもいいかもしれない。neo universeは普通に名曲だが。

さびしい姫君 - 北杜夫(1977)

大団円でよかったね。自身あとがきで失敗作と語っていたが否定はできないなー。ローラ姫が可愛かったな。幼児期の舌足らずな感じが最高。ロリコンとかじゃなくて何かノスタルジックな感興が湧いてくるんだよね〜…いやホントに。それにしてもオモライコロリとは何だったのか。2巻で第二の主人公のように登場したのに、全然いらんかったやないかいと。この作者は本当に行き当たりばったりで書いていたのだなぁと(笑)結局一人も登場人物死ななかったなぁ。北杜夫の本は陵辱とか暴力とかないので安心して読める。

さびしい乞食 - 北杜夫 (1974)

読んでみてからさびしい王様に内容の連続性がある完全な続編であることが判明。さびしい〜というタイトルから人生哲学めいた内容を期待している僕にとって、これは全く行きがかり上さびしいと付けただけでどこがさびしい乞食やねんと思わざる負えなかった。まぁそれは勝手に一喜一憂したことであってそれを抜きにしてもこれだけ取り出して面白いかと聞かれると微妙である。最大の不満は女の子が出てこなかったことで、その点次回作の寂しい姫君では待ちに待ったローラ姫が登場するであろうから期待している。

さねよしいさ子 - うてな(1993)

さねよしいさ子の4thアルバム。フォーライフからのリリースはこれが最後でこれから暫く沈黙に入る。ゼルダの伝説の大精霊を思わせるちょっと不気味なジャケットだ(笑)微妙にネタ切れっぽいが、いい曲もたくさん入ってる。寧ろ、すっからかんになった私を見ろって感じがする。

L'Arc~en~Ciel - AWAKE (2005)

Real、smileと微妙なのが続いたがこのアルバムは凄くいい。J-POP感丸出しの顔出しジャケだが寧ろ貫禄を感じる。ギターの音も太くてかっこいい。ドラムも突き抜けるようなドライブ感があり、今作は一貫して大人ロック。yukihiro.hydeの共作New worldで最高の開幕を迎え、続くlost heaven、叙情詩とken曲の調子も最高に良いので早くもアルバムはピークを迎える。アルバム曲も悪くない、寧ろ良い。ここにきて安定感が増してきたラルク。優男の歌う甘い歌から頼りがいのある男らしいロックバンドに進化した感じだ。

L'Arc~en~Ciel - Ark (1999)

二枚同時発売したアルバムの内の一枚。この頃のラルクは本当に凄い勢いだね。それでもGLAYの方が売れてたって聞いたことあるけど、異常な世界だね。陰のRayに対してこちらは陽のArk、まぁこのアルバムそんな陽でもないけど。このアルバムはTetsu色が強い。L'Arc~en~Cielのメンバーでも一番才能があるのはTetsuだと思う。うわっ、いい曲だなと思って見たらTetsuが作曲だったってのが多い。Driver's Highとか本当天才だと思う。否応なく最高。しかしその逆に駄目な曲は丸で聞き所がないという弱点もあると思う。このアルバムは微妙な曲が多い。いや、Tetsuのせいじゃないけど。好みもあるし。