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北杜夫 - どくとるマンボウ航海記(1960)

★★★★☆
マグロ漁船に半年船医として乗り込んだ時のエッセイ。色んな国を巡るが旅行記的な読み方はできない。あとがきには「大事なことは何も書かずくだらいことだけ書いた」と書かれており、冗談ばかり書いてあるのだがその半分くらいは意味が分からなかった。フィクションならその世界に没入しきってるから何となく分かることも、エッセイとして書かれると「何かまたわけわからんこと言ってるなぁ」としか思えず、たまにエエことを言っていたのかも知れないけど、一々その意味を理解しようと思えなかった。作者以外の人物も血が通っているように思えず、折角航海で世界中を廻っているのに作者の内側で全てが終わっている。これは作者と他人との心の距離感が反映されてるようで、この人はエッセイより小説の方がええなぁと思った。

森は生きている - グッド・ナイト(2014)

★★★★☆ 音楽
二年前に解散しているということを知り、話題を拐ったバントがアルバム2枚出しただけで早期解散というのはクールだなと思い興味を持つ。先ず、やる気のない鼻声のボーカルがキモい。アレンジは多彩だが曲がよくない。

ヤンヤン 夏の想い出(2000)

★★★★☆ 映画
台湾のエドワード・ヤン監督作。アジア人なのに欧米で通用するような名前って滑稽だよね。日本人で言えばアリスとかマリアとかジョージとかさ。一つの家族の偶像劇。母はいい年して自分探しに山篭り、父はその間に出張先の日本で昔の恋人と逢引、共に非常に見苦しい。長女は年齢なりのありふれた恋で傷付き、正しいのは次男だけという感が強い。こうなると純粋な子供だけが美しいように思える。教養も経験も老いも全て馬鹿馬鹿しいって思う。そういう純粋さへの信仰というのは年取っていく程痛々しく、そういう物を早く捨てている人の方が芸術的素養があるとも言われてる気がする。清濁飲み込んでこそ美しいものがわかるってことかな?僕はこういうふうに感じたけど、この作品はやりたい事詰め込み過ぎて何が一番表現したいのか分かららないし、無理と無駄が多いようでいけない。

テナント/恐怖を借りた男(1976)

★★★★★ 映画
フランスのロマン・ポランスキーというちょっとアホみたいな名前の監督作品。人の良い主人公が引っ越した先が事故物件で、出てくる人々がみんな無神経でケチだったり意地悪だったりして自分だったら絶対いやだが、他人事だからこれがかなり笑える。だんだんノイローゼだか疑心暗鬼だか本当に呪われてるだかで主人公も前の住人シモーヌと同じ運命を辿っていくんだが、そういう本筋より、俗悪な隣人たちとのやり取りの方が面白い。地味にヒロイン?と少女が可愛い。

マップ・トゥ・ザ・スターズ(2015)

映画 ★★★★☆
デビッド・クローネンバーグ監督作。これは偶像劇で登場人物全員病んでるんだけど、最後はキレイにみんな片付いた(笑)ラストは歪んだ少女趣味だった、安心っちゃ安心だけど。見返したくなるようなシーンはないんだけど、舞台が現代のアメリカで何の面白みもないものだから仕方ないと思う。良く出来た話だった。

テツコ - エロス (2017)

★★★★★ 音楽
待望のニューアルバム。先行公開されたエロスとクリームレモンは名曲。特にクリームレモンは世紀の大名曲だと思う。このアルバムで新たに録音されたのは5曲。コネコちゃんはテツコらしい癖になるメロディと堂々としたギターソロから帰ってくる所がカッコイイ。生まれてはじめてはタイトル通りまるで高校生バンドが作ったような初々しすぎるリフ(笑)からはじまるなんかいい感じの曲。スペイシーナイトってのは変な曲だなー、これは掴みどころがなくて長く魅了してくれそう。BABYは改めて聴くとパワーポップをスローにしたような曲だなぁと思った。傷ひとつないゼリーは二分ちょいしかないのに爽快ナンバーでなくて哲学的で人間の業を歌ったような内容なのがおつ。

プレイタイム(1967)

映画 ★★★☆☆
フランスのジャック・タチ監督作。フランスのチャップリンという話だけあって、字幕をつけてもほぼ無声映画のようで意味がなかった。監督がほぼ全ての俳優のパントマイムを支持したというのがすごい。おかげで全ての人物がプログラミングされたように動く。人によって変るだろうが、ぶっちゃけあんま面白くはない。何げなくボーっと眺めてる分には良いかも。