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北杜夫 - さびしい王様(1969)

これを受け入れた編集は誠に寛大であるなぁと(笑)まぁ、面白かったけど。どうしてこんないい加減なことな事が書けるのだろうと思った。そんな中にも童話と称してるだけあり、自分みたいなアホにも至極わかりやすく社会的なことが書いてあって勉強になった。

北杜夫 - 天井裏の子供たち(1966)

短編5編から成る御本。最初天井裏の子供たちってタイトルから何となく虐げらた子供達のセンチメンタルでファンタジックな話かもしれないと期待したが、全然違って天井裏で忍者ごっこに興じる男の子たちの現実的な話であった。別にそれでも良かった。【もぐら】は精神病院の患者たちの話で楽観的で楽しかった。黒人との混血児の患者が特に面白かった。精神病院はどうしようもなく精神薄弱者においては厳しい現実とは隔絶された理想郷として描かれている。個人的に感じるところの多かったとだけ記しておこう。【天井裏の子供たち】はアパートの天井裏を秘密基地にして漫画の影響から自分たちを現代の忍者と呼ぶ少年たちがいて、その活動は社長の息子である友達の家から金を盗む(彼らはそれを忍法と呼ぶ)など、立派な犯罪であるがその精神は幼稚極まり、それが彼らにとって救いであり彼らが大人になった時ヤンチャだったよなと笑い話にできる程度のことなんだろうなと想像して、得だなと思った。【静謐】はどうしても楡家の人々の大奥さまを思わせるおばあちゃんのクレイジーな昔話をまだ何にも分からない孫に聴かせるというひん曲がった話で一風変わった趣きがある。【死】【白毛】は私小説で軽く心をくすぐられる場面がチラホラして良いなと思う。

スピッツ - ハチミツ(1995)

スピッツは初期が良い。特にアルバム2枚目までは全部良い。この辺の売れてからは商品って感じが強すぎる。等身大の自分だけの歌って感じがない。恐らくアレンジをプロデューサーに任せたり、プロデューサーの移行でもっと高いキーで歌った方が良いという指摘を受け入れたりしたせいだろう。おかげで本当に売れたが、僕はやっぱり面白くない。全部いっしょに聞こえる。というより僕の欲しいものがそこに何もないのだ。

Plentyプレイリスト

僕が考えるplenty像に当てはまるプレイリストを作ろうと思ったんだが、拝啓。皆さまやっぱすげえな。改めて名盤だ。完全に異質だわ。理想的な僕の世界もちょっと落ちるけどやっぱ別物って感じ。つーことで今回はそれ以降の曲の中から選んでみた。

01.心には風が吹き 新しい朝をみたんだ(いのちのかたち)
02.人間そっくり(plenty)
03.ぼくがヒトであるなら(空から降る一億の星
04.蒼き日々(plenty)
05.fly&fall(this)
06.よい朝を、いとしいひと(いのちのかたち)
07.風の吹く町(plenty)
08.Laundry(いのちのかたち)
09.まだみぬ君(this)
10.空が笑ってる(plenty)
11.誰も知らない(life)
12.ワンルームダンサー(life)
13.こころのままに(life)
14.Laugh(life)
15.愛のかたち(いのちのかたち)
16.普通の生活(plenty)
17.見知らぬ朝(空から降る一億の星
18.よろこびの吟(this)
19.いつかのあした(this)
20.人との距離のはかりかた(plenty)
21.砂のよう(plenty)

 全21曲、合計約80分。一応曲順は自分が聴きやすい様に考えた。好きな曲しか入れなかったのでタイプが被る曲が多く多少無理があるが結構気に入ってる。中盤あまり好きでないlifeにだいぶ助けられたのは間接的にこのアルバムの評価に繋がった。こだわりとして人との距離のはかりかたをラストに置きたかった。この曲は何だが気恥ずかしい気がするがやはりplentyの精神性の核になる大事な曲だと思っているので、敢えて化け物じみた神通力を放つよろこびの吟より後ろに配置するした(笑)しかし、この曲で終わるのもクサいので初期の匂いがする砂のようでザラッと占めた。改めてplenty良いわ〜。こーのーまーまー抜ーけ出ーせーないままでー、そーのーまーま埋もーれてーゆーーくのー。

大江健三郎 - 性的人間(1963)

3つの短編からなる短編集。性的人間は全2章からなる短編だが、第1章は反社会的な奴らによるかまいたちの夜って感じで、これがサウンドノベルかなんかだったらニコニコ動画に上がってネタにされそうな親しみづらいキャラクターが滑稽だが、第2章がやばい。痴漢の事を「厳粛な綱渡り」と称す、変態紳士ではなく変態詩人たちの友情は笑えて心が震える。コイツらには良心とか道徳ってものが全くないのかと呆れさせられた後にこの裏切りである。ストーリー展開も完璧だった。残念なのはこれがあくまで小説で少年の体験的な嵐のような詩ではないこと(笑)
セブンティーンはオナニー大好きの17歳の少年が、自分のオナニー癖は外行く人全てにバレているのではないかという猜疑心からくる恥辱から右翼になって解き放たれる話。この短編に出てくる猫のギャングに対する批評が大江健三郎の小説をよくあらわしているように思われたそれは「あいつは野蛮で、悪の権化で、恩知らず恥知らずで、爆発的で、独り狼で、何者もは信頼せず、自分の欲しいものだけを掠め取る、それでいてあいつは俺に尊敬の念を起こさせるほど堂々としており…」というもの。
共同生活、これは読んでいてしんどかった。台詞もほとんどないし、主人公は四方を猿に囲まれた部屋で監視されながら暮らすのだが、その状況について何ら説明がなされず、主人公の病んだ精神の吐露だけが文章を紡ぎこっちが滅入ってくる。最後急に状況が覆って医者に強迫神経症と診断され腑に落ちない感じで終わる。そんな事は何となく読者は察しているので、いっそ外部からの視点は入れず主人公の精神世界の中だけで終わってほしかった。

北杜夫 - 奇病連盟(1967)

下らない話である。まぁ面白かったけど。主人公の名前が若干読みにくい後半まで武平(ぶへいと読む)をたけひらと読んでいた。北杜夫は意外と設定を詰めるのが下手である。クプクプの時の島だってそうだし、今回の奇病にしたって具体的な内容となると平凡でこじんまりとして面白くない。まぁ、今の漫画やアニメで目の肥えた読者を満足させろって方が酷な話だ。19xx年、世界は核の炎に包まれ主人公は錬金術師で機械鎧で妹が実は神様で可愛い訳がないとかそんな無茶を言ってはいけない。小説には漫画と違った魅力があるのだから、そちらを追求した物が読みたい。

きもの - 幸田文 (1968)

こうだあやと読む。衣服がお話の中で大事な要素なので和服についての知識が無いと想像が難しい場面も、まぁ勉強だと思って。母親が死ぬまではすごく面白かったんだけど、その後は登場人物が減ってきてちょっと寂しかった。小説にしては心理描写があっさりしていて、礼儀作法や人付き合いの秘訣等、実用書に近い印象。るつ子が和子の家を訪れた時の会話が素敵で、こんな風に上手く自分の気持ちを言葉に出来たら互いに誤解が無くて良いよなーと羨ましく思う。僕は平生給仕の女性に対してお姉さんと呼びかけるのは失礼であると感じていたのだが、同じことが言及されていて嬉しかった。男女問わず店員さんとでも呼ぶべきだろう。すいませーんでもいいし。