町田康 - 人生パンク道場(2016)

小説家、パンク歌手の町田康による素人人生相談本。面白かった。全部知恵を搾りユニークな角度から解答しているが、興味関心のある質問に対しては真摯に答え、どうでも良い質問には笑いで返しているように思えた(笑)。世の中には色んな悩みを抱えて人は生き…

白倉由美 - ミルナの禁忌(2000)

残酷でゴスくてファンタジーでSFでホラーだった。目一杯少女の可憐さをアピールしておいて、その少女が色々な苦難に立ち向かい心身ともに犯されていくのを見せられるやるせなさ。どんどんミルナというキャラクターに感情移入できなくなっていくのが残念だっ…

北杜夫 - 夜と霧の隅で(1960)

久々の読書で集中力が続かず躓きながらどうにか読み終えた。表現力が素晴らしいなと思った。

長野まゆみ - 上海少年(1995)

この作者、読者の9割は女性、女性向けに書いてると発言してるそう。そういう物を男性が読むのは、覗き趣味なのか性倒錯なのか何れにせよ変態じみてるが、この作品は面白かった。内容的にほとんど漫画やけど。また、嘘かよ!と、内容に突っ込んでしまい、女は…

北杜夫 - 黄色い船

短編集。こどもが面白かった。北杜夫の中では異色。笑いがなくてひたすら暗い。亡き妻の残した人工受精による息子を未亡人の妹と一緒に育てるというドラマみたいなワクワクする設定。血の繋がらない息子を愛することができるのか?彼らは本当の家族になれる…

母の影 - 北杜夫(1994)

この本は北杜夫氏の母上について語られた自伝的小説。この本を読んで氏は人物及び舞台設定にも自らの経験を大いに盛り込んでいた事が分かった。てゆーかそのものである。母は幽霊に出てくる母であり、楡家の人々の龍子であるのだ。僕は楡家の龍子のファンな…

「雨の木」を聴きながら - 大江健三郎(1982)

私小説風のフィクションであった。正直よく分からないところは多いのだが面白いところはやはり面白い。自身作中悪文と指摘されてることを認めている。作中、作者に似て作られた主人公が「どうしてそう、何もかもわかっているようなことが言えるのかなあ?人…

木霊 - 北杜夫(1975)

幽霊の続編で前作の孤独な状況から一変、倫子というあからさまな萌えキャラが登場して驚いた。ただ彼女も回想に登場するだけで主人公の前に直接現れることはなかったので彼の孤独という体裁もギリギリ守られたと言える。本編でこれだけトーマス・マンを推さ…

さびしい姫君 - 北杜夫(1977)

大団円でよかったね。自身あとがきで失敗作と語っていたが否定はできないなー。ローラ姫が可愛かったな。幼児期の舌足らずな感じが最高。ロリコンとかじゃなくて何かノスタルジックな感興が湧いてくるんだよね〜…いやホントに。それにしてもオモライコロリと…

さびしい乞食 - 北杜夫 (1974)

読んでみてからさびしい王様に内容の連続性がある完全な続編であることが判明。さびしい〜というタイトルから人生哲学めいた内容を期待している僕にとって、これは全く行きがかり上さびしいと付けただけでどこがさびしい乞食やねんと思わざる負えなかった。…

安部公房 - 砂の女(1962)

驚いたのは砂の女というのは抽象的なイメージではなく、実際に砂の穴の中で暮らす女だったこと。いい話だった。反復の生活。人間の幸せはどこにあるのかと考えさせられる。正直僕は羨ましく思う。住居に多少難あるものの、従順で甲斐甲斐しく世話してくれる…

北杜夫 - さびしい王様(1969)

これを受け入れた編集は誠に寛大であるなぁと(笑)まぁ、面白かったけど。どうしてこんないい加減なことな事が書けるのだろうと思った。そんな中にも童話と称してるだけあり、自分みたいなアホにも至極わかりやすく社会的なことが書いてあって勉強になった。

北杜夫 - 天井裏の子供たち(1966)

短編5編から成る御本。最初天井裏の子供たちってタイトルから何となく虐げらた子供達のセンチメンタルでファンタジックな話かもしれないと期待したが、全然違って天井裏で忍者ごっこに興じる男の子たちの現実的な話であった。別にそれでも良かった。【もぐら…

北杜夫 - 奇病連盟(1967)

下らない話である。まぁ面白かったけど。主人公の名前が若干読みにくい後半まで武平(ぶへいと読む)をたけひらと読んでいた。北杜夫は意外と設定を詰めるのが下手である。クプクプの時の島だってそうだし、今回の奇病にしたって具体的な内容となると平凡で…

きもの - 幸田文 (1968)

こうだあやと読む。衣服がお話の中で大事な要素なので和服についての知識が無いと想像が難しい場面も、まぁ勉強だと思って。母親が死ぬまではすごく面白かったんだけど、その後は登場人物が減ってきてちょっと寂しかった。小説にしては心理描写があっさりし…

北杜夫 - 楡家の人々・下 (1964)

いやー、長かった。しかし、素晴らしかった。ここにはフィクションではあるが能う限り精巧に再現された運命があって、そこに生きた人たちの確かな人生が記されていた。熊五郎や米国のような自分を正当化することに命をかけてるクズが出てくるのが北杜夫の一…

北杜夫 - 楡家の人々・上(1964)

「にれけのひとびと」と読むのだが僕はなぜかずっと「これけのひとびと」だと思っていた。著者の初の長編小説「幽霊」のような純文学的な趣もありながら、エッセイ等で発揮されるユーモアも同時に兼ね備えている怪作。これだけアクの強い人物を出しながらギ…

北杜夫 - 船乗りクプクプの冒険(1962)

児童小説と言われているだけあって、簡単に読めた。大人が読んでもつまらなくはないだろう。僕は、しんどい想いをする純文学というのよりこういう方がいいなぁ。本は漫画や映画より一番実質的な経験が積めるが、これは大して実にならないけども。プランクト…

福永武彦 - 草の花(1967)

バーガーナッズの草の花という曲がこの本に由来していることを知り読んだ。風景描写をイメージするのが苦手な僕には、この本は台詞ばっかりで読みやすかった。前半は爽やかなBLラブコメ(コメはないか…)に過ぎないのだが、後半のディープなこの本のテーマで…

北杜夫 - 幽霊(1956)

主人公の追憶を語る本なのだけれど、好きな本で何度か読んだけど一度も最後まで読んだことは無かったので今回ちゃんと読み切ろうと思って読み始めたのだが、最後の方になって「あれ?この本最後まで読んでるわ」と気づき、何か本の内容とリンクしてるなぁと…

大江健三郎 - 芽むしり 仔撃ち (1958)

凄まじい怒りと悲しみに満ちた本だった。文章は美しい言葉を選ぶより猛り狂う勢いとエネルギーで書かれていた。感化院と呼ばれる今でいう少年院に入る子供たちは山奥の村に疎開されるのだが、村で疫病から流行り村人は逃げ出し、村へ通じる谷は封鎖され彼ら…

北杜夫 - どくとるマンボウ航海記(1960)

マグロ漁船に半年船医として乗り込んだ時のエッセイ。色んな国を巡るが旅行記的な読み方はできない。あとがきには「大事なことは何も書かずくだらいことだけ書いた」と書かれており、冗談ばかり書いてあるのだがその半分くらいは意味が分からなかった。フィ…

北杜夫 - 怪盗ジバコ(1967)

面白い笑える滑稽味のある物に対してユーモアがあると評するのは何だか逃げ腰な気がする。昔の人は知らないが、だいたい現代に生きる僕らは対面で「君はユーモアがあるね」なんてふうには言わないのだから。ユーモアという言葉は最近では『面白い。しかし吹…

北杜夫 - あくびノオト(1961)

エッセイと小説の短編集。短編は四本ありどれも短いが傑作。第三惑星ホラ株式会社はエッセイと思いきや空想が展開していくユーモアたっぷりの自称私小説(笑)、少年と狼は童話っぽい感じでこういう子供の無垢な視点を描くのがこの人はすごく上手い、彼は新…

志賀直哉 - 暗夜行路・後編(1922) 

古典的名作と呼ばれる物を読んでいると結局文学って不倫だよねって思わされる。男性読者はそれにビクビクしながらも作者の手筈通り女に惹かれていってやっぱり傷つけられる。何でこんなドMプレイばかりを押し付けられるのか。それにしても昔って簡単にオカズ…

志賀直哉 - 暗夜行路・前編(1922) 

時々、言いようもない気持ちだとか、言葉にならない部分とかいうことを言う人がいるが、僕はそれは怠惰だと思う。なぜかわからないけど切なくなっていしまう音楽の仕組みだってきっと研究していけば言葉にすることは出来ると思う、その内容が小難しいから説…

沢木耕太郎 - 深夜特急(1986 - 1992)

この本に興味を持ったのは、The FlickersというバンドにMidnight expressという曲があってその曲はこの本に影響を受け作られたという話を聞いたからで、普段あまり本を読まない僕には文庫本で全6冊というのは大変だったが、文章は難しい言葉は全然使われてい…

疾走

久々に心に刺さった本。悪い意味で。僕は絶対許しなんか求めないし、もっと簡単に幸せを手に入れて見せる。と、そう思った。短いけど感想はこんなもん。思い出すと胸糞悪くなる。

ねこぢる旅行記(1998)

これ読んでビックリしたのがねこぢるって女性だったのか、ということ。いや、何となく自殺って男がするもんやと思ってまして。夫もいて31で自殺ってのも珍しいね。それにしても、インドとは面白い国だ。生まれた時から定められたカーストに従い生き死んでい…

浦安うた日記 - 大庭みな子 (2002)

短歌を挿んだエッセイ集。作中の言葉で、宇野浩二の思ひ出という作品に対して「淡々としたその筆の進め方には現代の小説を読むのとは違った心の平和のようなものあった」と書かれているが同じ印象をこの作品にも感じた。僕は最近そういう物しか読みたくない…

コケの自然誌(2012)

著:ロビン・ウォール・キマラー訳:三木直子こういう、長い本は読み終えるのに数日かかりその内容を読んだうちから忘れてしまうので特に言える事もないが、ロマンチックな文章は最初は楽しいが段々辟易してくる。しかしネイチャーライティングと呼ばれるノン…