藤異秀明 - 真・女神転生デビルチルドレン

児童誌のベルセルクの異名を持つ作品(笑)。昔、自分が小学生だった頃、GBソフトと共にアニメもしたりプチブームになったデビチル。その頃この漫画もボンボンで読んでいた。当時は中二病という言葉もなかったしそのグロさが只々衝撃でアニメとの違いに戸惑…

幸田文 - 闘 (1973)

この人の本は小説にしてはその場に居るような臨場感よりも、一歩引いた感想文のような冷静に突き詰めた目線があって、それだけにリアリティがあって何でそこまで本当らしい事が書けるのかその想像力に驚かされる。病院を舞台にそれに纏わる人々の話が繰り広…

大江健三郎「個人的な体験」

この小説が全くの創作なら素直に楽しむ事ができたのだが、作者が実際に抱いた感情が描かれているのかと思うと嫌な気持ちがして入り込めなかった。誰しも現実にのしかかる責任から逃れ想像力を羽ばたかせたいという欲求があると思うが、(作者は否定しているが…

大江健三郎 - 空の怪物アグイー

短編集。相変わらず読みにくいが、どの話もこの人にしか書けないであろう暴力性と繊細さに満ちていて面白かった。この人の人物描写は多くが動物に例えられ、どう想像しても気持ち悪い感じに描写されていて、個人的に女の子はもっと可愛く書いてほしいなぁと…

北杜夫 - 優しい女房は殺人鬼 (1990)

繊細で小心者の童話作家である主人公が女房が自分を殺そうとしているという疑念に取り憑かれる話なのだが、最初は主人公の小心から繰り出される妄想が笑えたが、それにだんだん呆れてきて、遂には哀れに思えた。そのカタルシスが訪れるまでが遅く(呆れてし…

志村正彦 - 東京、音楽、ロックンロール (2009)

フジファブリックのボーカル志村正彦のブログ本。めっちゃ普通の人で寧ろ気弱で凄く真面目で働き者だったんだな〜。医者に死亡宣告されてたり、寝だめってできるんだな〜とか書いてて(出来てないやん!!)寒気した。人間成熟したつもりでも間違いは犯す。先ず…

時間がなければ自由もない -尾崎豊覚書- 須藤晃(1994)

尾崎豊のプロデューサーによる尾崎本。プロデューサーしか知らない尾崎豊のエピソードを語る本を期待したが全然違う。サンブンノイチ位は著者の小説だし、楽しみにしていた尾崎と著者の対談は殆ど意味不明。著者は尾崎に対して歌の内容をわかりやすく伝える…

やまだ紫 - Blue Sky (1992)

やまだ紫の漫画を男友達に見せたらお洒落系と揶揄されて少々気分を害した。彼女の作品には気持ちを掻き乱される物があり、それはとてもエモく引き込まれるものだ。これ以上写実的でもコミカルでもいけない絶妙なバランスの絵なのだ。決して雰囲気だけの漫画…

町田康 - 人生パンク道場(2016)

小説家、パンク歌手の町田康による素人人生相談本。面白かった。全部知恵を搾りユニークな角度から解答しているが、興味関心のある質問に対しては真摯に答え、どうでも良い質問には笑いで返しているように思えた(笑)。世の中には色んな悩みを抱えて人は生き…

白倉由美 - ミルナの禁忌(2000)

残酷でゴスくてファンタジーでSFでホラーだった。目一杯少女の可憐さをアピールしておいて、その少女が色々な苦難に立ち向かい心身ともに犯されていくのを見せられるやるせなさ。どんどんミルナというキャラクターに感情移入できなくなっていくのが残念だっ…

北杜夫 - 夜と霧の隅で(1960)

久々の読書で集中力が続かず躓きながらどうにか読み終えた。表現力が素晴らしいなと思った。

長野まゆみ - 上海少年(1995)

この作者、読者の9割は女性、女性向けに書いてると発言してるそう。そういう物を男性が読むのは、覗き趣味なのか性倒錯なのか何れにせよ変態じみてるが、この作品は面白かった。内容的にほとんど漫画やけど。また、嘘かよ!と、内容に突っ込んでしまい、女は…

北杜夫 - 黄色い船

短編集。こどもが面白かった。北杜夫の中では異色。笑いがなくてひたすら暗い。亡き妻の残した人工受精による息子を未亡人の妹と一緒に育てるというドラマみたいなワクワクする設定。血の繋がらない息子を愛することができるのか?彼らは本当の家族になれる…

母の影 - 北杜夫(1994)

この本は北杜夫氏の母上について語られた自伝的小説。この本を読んで氏は人物及び舞台設定にも自らの経験を大いに盛り込んでいた事が分かった。てゆーかそのものである。母は幽霊に出てくる母であり、楡家の人々の龍子であるのだ。僕は楡家の龍子のファンな…

「雨の木」を聴きながら - 大江健三郎(1982)

私小説風のフィクションであった。正直よく分からないところは多いのだが面白いところはやはり面白い。自身作中悪文と指摘されてることを認めている。作中、作者に似て作られた主人公が「どうしてそう、何もかもわかっているようなことが言えるのかなあ?人…

木霊 - 北杜夫(1975)

幽霊の続編で前作の孤独な状況から一変、倫子というあからさまな萌えキャラが登場して驚いた。ただ彼女も回想に登場するだけで主人公の前に直接現れることはなかったので彼の孤独という体裁もギリギリ守られたと言える。本編でこれだけトーマス・マンを推さ…

さびしい姫君 - 北杜夫(1977)

大団円でよかったね。自身あとがきで失敗作と語っていたが否定はできないなー。ローラ姫が可愛かったな。幼児期の舌足らずな感じが最高。ロリコンとかじゃなくて何かノスタルジックな感興が湧いてくるんだよね〜…いやホントに。それにしてもオモライコロリと…

さびしい乞食 - 北杜夫 (1974)

読んでみてからさびしい王様に内容の連続性がある完全な続編であることが判明。さびしい〜というタイトルから人生哲学めいた内容を期待している僕にとって、これは全く行きがかり上さびしいと付けただけでどこがさびしい乞食やねんと思わざる負えなかった。…

安部公房 - 砂の女(1962)

驚いたのは砂の女というのは抽象的なイメージではなく、実際に砂の穴の中で暮らす女だったこと。いい話だった。反復の生活。人間の幸せはどこにあるのかと考えさせられる。正直僕は羨ましく思う。住居に多少難あるものの、従順で甲斐甲斐しく世話してくれる…

北杜夫 - さびしい王様(1969)

これを受け入れた編集は誠に寛大であるなぁと(笑)まぁ、面白かったけど。どうしてこんないい加減なことな事が書けるのだろうと思った。そんな中にも童話と称してるだけあり、自分みたいなアホにも至極わかりやすく社会的なことが書いてあって勉強になった。

北杜夫 - 天井裏の子供たち(1966)

短編5編から成る御本。最初天井裏の子供たちってタイトルから何となく虐げらた子供達のセンチメンタルでファンタジックな話かもしれないと期待したが、全然違って天井裏で忍者ごっこに興じる男の子たちの現実的な話であった。別にそれでも良かった。【もぐら…

北杜夫 - 奇病連盟(1967)

下らない話である。まぁ面白かったけど。主人公の名前が若干読みにくい後半まで武平(ぶへいと読む)をたけひらと読んでいた。北杜夫は意外と設定を詰めるのが下手である。クプクプの時の島だってそうだし、今回の奇病にしたって具体的な内容となると平凡で…

きもの - 幸田文 (1968)

こうだあやと読む。衣服がお話の中で大事な要素なので和服についての知識が無いと想像が難しい場面も、まぁ勉強だと思って。母親が死ぬまではすごく面白かったんだけど、その後は登場人物が減ってきてちょっと寂しかった。小説にしては心理描写があっさりし…

北杜夫 - 楡家の人々・下 (1964)

いやー、長かった。しかし、素晴らしかった。ここにはフィクションではあるが能う限り精巧に再現された運命があって、そこに生きた人たちの確かな人生が記されていた。熊五郎や米国のような自分を正当化することに命をかけてるクズが出てくるのが北杜夫の一…

北杜夫 - 楡家の人々・上(1964)

「にれけのひとびと」と読むのだが僕はなぜかずっと「これけのひとびと」だと思っていた。著者の初の長編小説「幽霊」のような純文学的な趣もありながら、エッセイ等で発揮されるユーモアも同時に兼ね備えている怪作。これだけアクの強い人物を出しながらギ…

北杜夫 - 船乗りクプクプの冒険(1962)

児童小説と言われているだけあって、簡単に読めた。大人が読んでもつまらなくはないだろう。僕は、しんどい想いをする純文学というのよりこういう方がいいなぁ。本は漫画や映画より一番実質的な経験が積めるが、これは大して実にならないけども。プランクト…

福永武彦 - 草の花(1967)

バーガーナッズの草の花という曲がこの本に由来していることを知り読んだ。風景描写をイメージするのが苦手な僕には、この本は台詞ばっかりで読みやすかった。前半は爽やかなBLラブコメ(コメはないか…)に過ぎないのだが、後半のディープなこの本のテーマで…

北杜夫 - 幽霊(1956)

主人公の追憶を語る本なのだけれど、好きな本で何度か読んだけど一度も最後まで読んだことは無かったので今回ちゃんと読み切ろうと思って読み始めたのだが、最後の方になって「あれ?この本最後まで読んでるわ」と気づき、何か本の内容とリンクしてるなぁと…

大江健三郎 - 芽むしり 仔撃ち (1958)

凄まじい怒りと悲しみに満ちた本だった。文章は美しい言葉を選ぶより猛り狂う勢いとエネルギーで書かれていた。感化院と呼ばれる今でいう少年院に入る子供たちは山奥の村に疎開されるのだが、村で疫病から流行り村人は逃げ出し、村へ通じる谷は封鎖され彼ら…

北杜夫 - どくとるマンボウ航海記(1960)

マグロ漁船に半年船医として乗り込んだ時のエッセイ。色んな国を巡るが旅行記的な読み方はできない。あとがきには「大事なことは何も書かずくだらいことだけ書いた」と書かれており、冗談ばかり書いてあるのだがその半分くらいは意味が分からなかった。フィ…