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北杜夫 - どくとるマンボウ航海記(1960)

マグロ漁船に半年船医として乗り込んだ時のエッセイ。色んな国を巡るが旅行記的な読み方はできない。あとがきには「大事なことは何も書かずくだらいことだけ書いた」と書かれており、冗談ばかり書いてあるのだがその半分くらいは意味が分からなかった。フィクションならその世界に没入しきってるから何となく分かることも、エッセイとして書かれると「何かまたわけわからんこと言ってるなぁ」としか思えず、たまにエエことを言っていたのかも知れないけど、一々その意味を理解しようと思えなかった。作者以外の人物も血が通っているように思えず、折角航海で世界中を廻っているのに作者の内側で全てが終わっている。これは作者と他人との心の距離感が反映されてるようで、この人はエッセイより小説の方がええなぁと思った。