エレファントカシマシ - エレファントカシマシ5(1992)

このアルバムでは一般的な会社勤めの男の亭主関白気味でちょっと古風な家庭を中心にした、細やかな幸せと鬱屈が描かれている。だが果たしてこんな家庭や暮らしが本当に今の日本で(アルバム発売当時でも)実在するのだろうか?それは否で何故なら、宮本という男は今風の言葉で言えばバリバリの社会不適合者に当たる人だと思う。そもそも彼はこの頃独身で実家暮らしのバンドマンであったわけだし、これは100%宮本の空想妄想の産物であり、現実のサラリーマンの暮らしとはかけ離れているものではないかと考えている。つまりこれは宮本の想像するサラリーマンに宮本がなりきって作られた楽曲で言ってしまえば茶番劇で、僕はそんな宮本が描く風景に共感を覚えるというよりそんな捻れた時空で暮らす宮本という男に対する悲哀を感じ、それが僕にとってこのアルバムの魅力である。これは別にディスっているわけではなくて宮本の表現力が一流であるから響く至高の芸術品であるということを僕は理解しているつもりだ。