仮面ライダーアギト(2001-02)

平成二作目のライダー。監督は色んな人がかけもつが、脚本は28話を除いで井上敏樹がすべて務めている。ミステリー要素が強く、アギト、ギルス、G3の三人のライダーの視点で物語は交錯し、序盤は謎が深まる一方だが、終わってみれば何にも分からない最初が一番面白かった。終盤翔一の正体が周りにバレた辺りから本当つまらん。クウガでは登場人物がみんな良い奴ばっかりだったのに対し、ムカつくキャラが増え、食べ物を粗末にするなど微妙に嫌な描写が目立ち印象が悪い。マナちゃんの部活のシーンとか本当胸悪いだけの糞。マナちゃんが超能力に目覚めてからも不真面目なボケをかまし無神経な態度を示す面々には心底引かされて、作品への熱もだいぶ冷めた。その分、ライダー三人はカッコいいのでそれを見守るだけで序盤は楽しい。特にギルスは俺の求める哀しみを背負ったライダーの最高傑作だと思う(ギルス演じる友井雄亮はパンクファッションで叫びまくる姿は町田康を彷彿させる)。一方、主人公である津上翔一というキャラにはあまり魅力を感じない。闘いを飄々とこなせる彼にはヒーローの悲哀といった部分を感じない(変身してからのギャップはカッコいいけど)。多分、僕は井上敏樹主導の仮面ライダーが好きではない。ヒーローは斯くあるべき、こういうヒーローを子供達に見て欲しいといった目的意識がなくて、ただストーリーが面白ければそれでいいという、ただのエンターテイメントとして作品が扱われてる気がする。しかし、19話でのライダーが出てこないでずっと推理してるエピソードはやっぱり凄い。そっから一気に北條を好きになるからそこは脚本の力なのかなと思う。でも僕は仮面ライダーにそういう人間ドラマとか求めてない。僕が見たいのは絶対的な力を持ってしまった一人のヒーローの自己犠牲の物語なのだ。それだけで50話も面白さを維持するのは難しいだろうけど、そういう作品でないと観る価値が見いだせない。そういう意味ではやはりクウガが僕の理想の仮面ライダーだったのかなと思った。