神々のたそがれ(2013)

アレクセイ・ゲルマン監督作。久々にめちゃくちゃすごい映画を観た。3時間もある。しかもその間一切音楽なし。しかも話の筋がよくわからん。それでも観れてしまうエネルギーが詰まった作品。ジャンルはSFらしい(そんな感じは露程も見せないが…)。地球とは別の惑星が舞台で800年は文明が遅れてる。ルネサンス初期の雰囲気だが、反動的ですげえ野蛮で無秩序な世界。主人公は神らしい(おでこに白毫みたいなんつけてるが)。全知全能の神ではない、普通の人間っぽい。その正体は地球からやってきた人間だったって感じかな(冒頭で語られたこの惑星に送られた30人の学者なのかも)。明らかにこの世界に不似合いな笛の音色でそれを表現しているのだろう。が、あまりそんなのは関係ない。この映画で大事なのは作り込まれたこの異世界をたっぷり堪能できるということだ。監督は黒澤明のファンらしい。黒澤映画のあのクソ汚くて臭そうな本当に自分がタイムスリップしてしまったような体験が味わえるそういう映画。

水をかける。突き飛ばす。ものを投げ捨てる。唾を吐く。

野蛮で不潔で知性の欠けらも無い世界。不思議惑星キンザザをもっと煮つめたような作品だ。

それにしてもカメラ目線が気になる。カメラは誰の目線なんだろうう。どうやらその場その場で違ってるみたい。そこにいるのに相応しい誰かが答えだろう。

マジで話の筋はよくわからん。それでもこの映画が素晴らしいと言いきれる極上の映像体験。