それでも世界が続くなら - 僕は透明になりたかった(2015)


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メジャーの日本クラウンからはラストとなるフルアルバムとして通算5枚目のアルバム。ボーカル以外全曲スタジオで一発録りされたアルバム(ボーカルをしなかったのはライブ・アルバムみたいに思われるのが嫌だったらしい)。ドラマーが片腕骨折した中レコーディングが断行されたらしい。

1.晴れた日の教室

なんかギリギリの危うさが漂う曲。メジャーとしてもギリギリの音だし、このメロディーと歌詞じゃなかったら、普通にやばい曲。前と比べてベースがくそ重くなってる。レディへっぽい沈鬱さが終始あってそのサウンドといじめられっ子が抱える沈鬱さがリンクしたら素晴らしいことだと思う。このアルバムは洋楽志向の深い音楽性と日本のメジャーバンドのキャッチーなメロディーが絡んでいる事が奇跡的な相乗効果を生み出しているのが特徴だが、聴く人が聴けばこの曲の最初の一音で「あっこれガチだ…」って伝わるはず。

2.思考停止

何この狂騒感?吹っ切れ過ぎだろ笑。クソかっこいい。サビの粘り気のあるメロディがクソかっこいいと思う。工場のベルトコンベアーに乗ってフォアグラにされる鴨の気分。鈍鬱。こうなると僕は透明になりたかったってタイトルがどんだけ切実か分かるね。海の底から見上げる水面の蒼さというかね。

3.響かない部屋

殺す気満々のギターとヘヴィネスの限りを尽くすベース。ギリギリポップに繋ぎ止めるメロディー。最高。ゲロ吐きそうな程くだを巻くギター。心だけが付いてこないって歌詞がめっちゃ共感してしまう。本当に苦しんでる人はこんな感じだよなって精神状態を明確に音で表現してる。しゅごい…。

4.リサイクル

幻想的な美しいアルペジオを刻むギターと、ヘヴィネスなベースとコントラストがなんとも病的。そこにぶっ込まれるノイズギターの凶暴さったらない。これはもうポップスでは無い。やはり歌だけがギリギリポップ。このアルバム全部ワンコーラスで終わる感じがギリギリ感増し増しで怖いよ〜。

5.解離と労働

タイトルが不穏すぎる…汗。そしてベースが…これエレクトリックウィザードとかドゥームのそれ系のあれやん。ギターノイズが轟音の渦。この世は地獄それだけを表現した様な曲。これもう弱者に寄り添う音楽とかそういうコンセプト超えちゃってるよ。お前を殺して俺も死ぬくらいの気迫。恐怖。

6.分列

このイントロはthe cure!?もう全部かっこよすぎるだろ!!言うことない!完璧だよこのアルバムは!あの日は家にいればよかったって歌詞なんだよ!何があったんだよ!!もう誰にも理解できない闇しか歌ってないよ!ギターノイズが常軌を逸してる。死ぬのも怖くなくなる程だ。これは紛れもない芸術作品。BGMには決してならない。

7.小さな虐待

タイトルがもうヤバそうだよ。救いが無さすぎるよこのアルバム。ベースのビヨビヨした音良すぎるだろ、なんつーかヤバさの中にも品がある。曲調的には唯一光となる部分なのかな。もう絶対届かない光を眺めてるだけでしかない感じがするけど…。

8.早朝

初期NOVEMBERSが闇に落ちた様な音だな。疾走オルタナっていうジャンルとしてカテゴライズしやすいって意味ではかなりポップだな。今更だけどこの壊れ方どうしちゃったんだよこのバンド!?究極の音出してる。

9.どうでもいい

それでも世界が続くなら得意のミディアムナンバーだけど、これはもう終わっちゃってんな。どうでもいいって…あんなに生きてて欲しいって訴えてたバンドがここまではっきり諦念を歌っちゃったら世界が終わる事を認めざるを得ない。これでバンドが終わってない事がすごいなどうなっていくんだそれでも世界が続くなら…。俺は怖いよ。

10.自殺志願者とプラットフォーム

インディーズからリリースされたセカンドアルバム収録曲の再録。メロディーが他の曲に比べて光に満ちすぎててヤバい。眩しすぎてもう何も見えない。あんたら世界一美しいシューゲイザーだよ。ギターが止んでベースだけになるとことか自分の心臓と呼応してるんじゃないかと思えてくる。これが止んだら死ぬんだなって感じ。この感じはドラムが片手しか使えない状況だから出せたんやろなぁ。すげえ必死さが伝わってきて、それが曲の雰囲気と奇跡的にマッチしていてたまらん。音楽の美しさに乾杯だな。

11.聞こえない声

ここでクリーントーンの弾き語りとか確信に満ちてるよな。俺はもう音楽の神だって具合かな。そんでそっから爆音のノイズ。これはズルすぎるな。

全体としては…超絶名盤だよ。完全に俺の中で伝説のバンド認定だよ。ただ重たすぎてBGMには絶対にならない。聴くのに相当体力を求められるアルバムです。いつもの事だけど一段と中身ないレビューだな。スゲーしか言ってない笑。実際凄いものを見せられると凄いしか言えないよ。最後にこのアルバムを聴く注意点としてヘッドホンとスピーカーで聴く印象が全然違うということ。スピーカーで聴くと歌が前に出てあーなんかイジメとか社会派な感じの連中だなという印象になりそうだけど、このアルバムはヘッドホンで聴くものだ。そうすると全体を支配するヤバさが伝わると思う。