新世紀エヴァンゲリオン Air /まごころを君に(1997)


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所謂旧劇ってやつ。実はエヴァってちゃんと見てないんだよね。まぁ、これ程の有名作品だと大体の情報は勝手に入ってくるものだけど、実際見るのはすごく怖かった。予想通り、終始心痛に苦しめられた。これは言わば表現という名の自殺だよ。

…まぁ実際見てみて予想を裏切られたのは意外とキャラに魅力が無いこと。キャラデザとかは勿論いいんだけど、魅力が無い(これについては後で語ろう…)から彼らが残酷な目にあっても可哀想つーか…哀れという感想しか湧かず、只々不快感募るだけで自分の身が切られるような苦痛は無かった。全体的にこの映画はキモくて怖かった。庵野監督がインタビューでエヴァ現象みたいなんを不健全と見なしオタク共をエヴァから卒業させようとしたけどその方法が、とにかく嫌なものを見せてエヴァを嫌いにさせるっていうね。アスカは性格的にダメな部分を極限まで引き出して、レイはくっそキモイ巨人にした。もう本当執拗なまでに終始キモかった。溶けだす筋肉むき出しの骨。はみ出る臓物。あるれ出す体液。ギョロギョロ動く目玉。不快な喘ぎ声、叫び声……。あらゆるゴア表現を駆使し、これはもうエヴァという作品を殺そうとしてる。そんでシンジが神になってからのラストまで続く長い独白ね。エヴァって作品は監督本人が言ってたけど衒学的なんだよね。あと、やっぱビジュアルの鮮烈さが凄い。でもそのガワを剥ぎ取ると病んでる中学生の日記帳みたいなのしか残らないんだ。作品と作者は切り離して考えるべきと言ってもやっぱり自分が考えてるものしか作れないから、どうしたって作品と作者はイコールなんだよ。そんでこの人はオッサンになって未だにそんな中学生の日記帳みたいな事ばっか考えてるなんて事を映画で世界中に発信したんだよ?シンジを通してね。これは表現者として自殺行為だよ。二重の意味で自殺だよこの作品は。斬新だよ。こんな映画は観たことがない。映画を見て満足感が得られたかと言われると疑問です。面白かったのかどうかも分からない。ストーリーがどうこうより、ジェットコースターやお化け屋敷の感覚に近かった。これはシンジと同じ中高生のうちに見ておくべき作品だったかも。それくらいこの映画の核の部分シンジの独白は今の俺にはどうでもよかった。

…キャラの魅力について

キャラの魅力について考えてみよう。庵野監督はキャラを本当記号でしか捉えてない印象がある。アスカとレイの対比にしても髪の長い方と短い方、性格の明るい方と暗い方、でこれで女の子の特徴を全部網羅してると語った。本当それぐらいの扱い…。中身は空っぽなんだよ。いやアニメのキャラに中身なんてないんだけどね。でもそれがあるっぽく見せるのが醍醐味じゃん!みんなその嘘に夢中になるんだよ。でもエヴァはガワだけで、中身はまんま庵野監督なんだよなぁ。いや、庵野監督に魅力が無いとは言わないよ。でも俺はやっぱアニメにはキャラを求めてるから。そういう観点で語るとやっぱこの映画好きな映画では無かった。まぁそれもまた一要因に過ぎない。好みの問題でやっぱ凄い作品なんだけどね。中高生くらいに見せたら人生狂うレベルの作品であることは間違いないんだ。しかし、この先があるのが恐ろしい。エヴァ新劇観てないけど、みんなが見たいエヴァって方向に進んでたら危険やぞ。庵野監督そんな器用な人じゃないやろ。魅力的なガワを作るセンスは天下一品やから勘違いされがちやけど、中身が死にたいくらいの感情しかないし、思想とか欠片もなさそう。ただ単に楽しいだけの映画で終わらせる事は可能かもしれんけど、それってエヴァである意味ある?ってなるやろ。やはりリメイクに手を出すべきではなかったんじゃ…(勝算はあるのか)。まぁ次はシン・ゴジラ観て今の庵野監督がどんな状態なのか確かめよう。