ヨルニトケル - 冷たい夜のこと(2020)


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青森出身、東京で活動する4人組ロックバンド(今はドラムが抜けて3人)ヨルニトケルのファーストフルアルバム。てゆーか既出曲が多いのでベスト盤かコンピという感じかな?https://twitter.com/yorunitokeru_/status/1308005357503918085今んとこ、ここからダウンロードできるようなので是非。

polt scraps,yeti let you notice,Dummy-xd等の東京のナヨナヨ系実力派バンド周辺で名前は時々見かけていたバンド。どれも癖が強いバンドだがその中でも1番歪で迷走してる印象。迷走って言ったら言葉は悪いけどチャレンジ精神旺盛で常に自分たちなりの最良を求めて変化し続けてる様が見てて面白いという意味で自分的にはかなり褒めてる。ファーストミニの美しい生活の為に(2013)の頃は正統派オルタナバンドといった印象で既にクオリティは高いが個性と言った点で物足りない感じだったが、pictured black heaven(2015)辺りで自分たちの個性を確立した印象がある。その個性とは自分たちのルーツである90年代のV系バンドの影響をそのまま打ち出してきてベースにあるオルタナとミックスしてオリジナリティを獲得したという感じ。本人らはラルクやグレイが好きらしく聴いてるとこのメロディはペニシリンぽいなぁとか初期黒夢にこんなんありそうって感じがする。ベースはあくまでオルタナで現代の日本のバンドの流れを汲んでる。ボーカルの声質もV系というよりNOVEMBERSとかオルタナ系によくある線の細いあの感じだから結果として独特な物になってる。V系ともオルタナとも言い難く、本人らはJpopと言い張ってるがこのどこにも属せない歪さはロックとしか言い様がない。

 

01.羊の視た夢

ハードコア・パンクのノリを取り入れた骨太とナヨナヨのボーカルの二律背反のthe cabsスタイルのオルタナナンバー。まぁ好きな人は絶対好きなやつ。若干メロディーがV系由来なのがこのバンドの味付け。Cメロ部分ドラムが敢えて1拍ズレてるテイクを採用したという、そういう遊び心も素敵。

02.傀儡

この曲はAメロがペニシリンっぽいなと思った(つってもマサルさんのあれしか知らないんだけど…)。Bメロでいきなり語りっぽくなって間髪なくサビに雪崩込む流れがスリリングでイカす。2番ではそれやらずソロが始まるが、ソロパートがめっちゃカッコイイのもこのバンドのポイント。

03.diva

カルピスのCMにでもなりそうな思いっくそポップで爽やかな曲で噴く。まぁ、こういう曲調に違和感を覚えるのは彼らの根底が根暗オルタナである証左だろう。しかし、こういう曲をやってしまう所がこのバンドの面白い所。歪で美しいこのバンドを象徴する楽曲。

04.Garden

思い切りビジュアル系っぽいナルシスティックでちょっと恥ずかしくなるメロディー。だけど、この線の細いボーカルでやられると一生懸命っぽくて好感。清春とかがすげえやりそうなメロディーだ笑。ベタだけどCメロをちゃんと作り込む生真面目さもこのバンドの好きなところ。

 

05.halation

レディオヘッドを思わせるすげえ病んでるマイナー調のオルタナナンバー。あまり上手とは言えないボーカルで独特のマイナー調のメロディーを苦しげに歌い上げ最後には叫び出してしまう崩壊のカタルシスがエモーショナルで美しい。アートスクールが確立し→NOVEMBERS→cabsと伝えられてきた、自分はこれを悲痛系シャウトの系譜と呼んでいる。

06.地下室の夏

ライナーに寄るとコードが2つしか使われていないシューゲイザータイプの楽曲。飽きさせないアレンジにこのバンドのセンスの良さが伺えるだろう。これ聴くと元々はNOVEMBERSと同系列のバンドだなと思える。ラルクとかがやるとどうしてもスケール感が出てしまうのだが、彼らがやると私的な印象を受ける。エモーショナル。シーサイドスーサイド等の歌詞は他の曲でもよく出てくるこういうキーワードを含むのが面白い。

07.9月の重力

これは名曲だと思う。自分はこの曲が一番好き。ハードコア調の硬質なパートをナヨナヨボーカルが漂う様が本当に美しい。このひねくれたメロディーセンスが良い。中盤のインスト部分は圧巻。ライブで見たら最高だろうな。そっから一気にセンチメンタルなCメロで昇天し、サビのシャウトまでの流れが神がかってる。

08.dilemma(only mine)

このバンドの代表曲に当たる名刺代わり的なナンバー。インストバンドかってくらい演奏難度が高く複雑な展開だがメロディーだけは凄くポップっていう…まぁ2010年辺りから割とよくあるパターンの曲やけどそん中でも頭一つ抜けたメロディーセンスを遺憾無く発揮した文句無しの一曲。

09.Femme Fatale

dilemmaで確立したヨルニトケル流ポップスをさらに推し進めた楽曲。LUNASEAのようなゆったりした速度で風呂敷を広げていきつつも、その全部がサビみたいな印象を受ける感覚はLUNASEAに相当影響受けてそう。今は本当インスタントに音楽が扱われる時代だからこういうじっくり聴かせる曲はほんま少なくなってるよね。力作。この曲を聴くとヨルニトケルが何をやりたいバンドなのかよくわから気がする。

10.suspended animation

すげえ売れ線っぽいロキノンオタ狙い撃ち的な曲。PVの雰囲気といい全体的にHaKUっぽい。